はじめに
自由が丘・田園調布バイオリン教室による、子どもにおすすめのクラシック音楽紹介シリーズです。今回紹介させていただく曲はチャイコフスキーの名曲「くるみ割り人形」です。これからのクリスマスシーズンにぴったりの作品です。
チャイコフスキーについて
ピョートル・チャイコフスキー(1840-1893)はロシアの作曲家です。バレエ音楽、交響曲、ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲など、様々なジャンルで有名な作品があります。
代表作を挙げるとキリがありませんが、今回紹介させていただく「くるみ割り人形」をはじめとして「白鳥の湖」「ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35」「ピアノ協奏曲第1番」「交響曲第6番(悲愴)」などが有名です。
くるみ割り人形について
「くるみ割り人形」は童話「くるみ割り人形とねずみの王様」(ホフマン)が原作のバレエ音楽です。「白鳥の湖」「眠れる森の美女」と合わせて、チャイコフスキーの3大バレエ音楽と呼ばれています。
くるみ割り人形のあらすじ
簡単にあらすじを説明します。
クリスマスイブ、少女クララは叔父から「くるみ割り人形」をプレゼントされます。夜中、鐘が鳴るとクララは小さくなり、突如、クララのくるみ割り人形とねずみが戦い始めます。これにクララが応戦することでくるみ割り人形が見事に勝利。すると、くるみ割り人形が王子様に変わり、クララをお菓子の国に連れていきます。
お菓子の国では、金平糖の精をはじめとしたもてなしを受けます。ロシアの踊りやアラビアの踊り、中国の踊り、あし笛の踊り、花のワルツなどを楽しむのです。お菓子の国でめいいっぱい楽しんだクララは家に戻って眠りにつくのでした。
いかがでしょうか。とても夢のあるストーリーだと思います。そして、このストーリーにぴったりの素敵な音楽が想像力を膨らませてくれます。では、曲の紹介をしていきます。
バレエ組曲「くるみ割り人形」Op.71a
- ・第1曲 小序曲
特に印象的なのは、跳ねるようなヴァイオリンの楽しげな音が聴こえる第1主題。楽しい物語が始まると感じさせてくれる曲です。 - ・第2曲 行進曲
管楽器によるファンファーレ、そして跳ねるような弦楽器による旋律が続きます。ワクワクする楽しい雰囲気が伝わってくる曲です。 - ・第3曲 金平糖の精の踊り
金平糖(正確には「ドラジェ」と呼ばれるお菓子)による踊り。チェレスタによる、少しミステリアスな雰囲気が特徴的な曲です。 - ・第4曲 ロシアの踊り
農民による踊り。とても迫力がある、躍動感を感じる曲です。実際のバレエではダイナミックな踊りを見ることができます。 - ・第5曲 アラビアの踊り
コーヒーの精の踊り。東洋の雰囲気を感じさせる曲です。 - ・第6曲 中国の踊り
お茶の精の踊り。ヴァイオリンによるピッチカート奏法に可愛らしさを感じます。 - ・第7曲 あし笛の踊り
アーモンド菓子の羊使いによる踊り。フルートによる旋律が美しい曲です。 - ・第8曲 花のワルツ
侍女による踊り。ヴァイオリンをはじめとした弦楽器による旋律はとても優雅で有名です。組曲の締めくくりにふさわしい、とても華やかで壮大なワルツです。
くるみ割り人形の楽しみ方
クリスマスシーズンになると、くるみ割り人形は様々な場所で上演されていますので、お時間があれば、ぜひ、実際にバレエをご覧になってみてください。
バレエの動画を一緒に鑑賞しても十分楽しむことができると思います。
最後に
とても素敵な音楽が特徴的な「くるみ割り人形」。誰もが聴いたことのある曲もたくさんあり、とても親しみやすくなっています。ぜひ、お子様と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
人気記事